戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

2.交易品-02.九州地方

ビヤマグ(肥前) Beer mug

ビヤマグとは、ビールを飲むために作られた、円筒形で把手のついた器を指す。17世紀以前のヨーロッパでは、ビールを飲む際に陶器や金属器のビヤマグが使われていた。17世紀後半、肥前磁器によるビヤマグが日本からヨーロッパに輸出された。

チョコレートカップ(肥前) chocolate cup

17世紀後半、肥前ではオランダからの注文を受けて多くの磁器が生産され、海外に輸出された。その中にはチョコレートを飲むためのカップ、すなわちチョコレートカップがあった。

樟脳(日本) しょうのう

日本で生産された樟脳。樟(クスノキ)を加工して作られた。安価な竜脳と位置付けられ、殺虫剤や火傷の際の鎮痛剤として用いられたとみられる(『本草品梨精要』)。特産地は九州地方、特に薩摩国。17世紀以降、オランダによって海外に輸出された。

宮原銀 みやはるぎん

戦国期、肥後国宮原で発見された鉱石。発見当初は、銀鉱石と鑑定されたが、以後の史料には見えなくなる。

薩摩焼 さつまやき

薩摩国で焼かれた陶磁器。朝鮮に出兵(慶長の役)した島津軍によって捕らえられた朝鮮陶工によって製作された。江戸期は「国焼」あるいは「国許焼」「薩州焼」とも記されている。

屋久杉 やくすぎ

大隈諸島の一つ屋久島の、標高500メートルを越える山地に自生する杉。栄養の少ない花崗岩の島に生える屋久杉は成長が遅く木目が詰まっており、降雨が多く湿度が高いため、樹脂分が多く腐りにくい特徴を持つ。このため木材として優れていた。この屋久杉の伐採…

対馬砥石 つしま といし

対馬の浅芽湾で採れる砥石。漆磨きや金銀の磨きに使用された。江戸期には全国的に知られた砥石であり、中世でも日本各地の遺跡から出土している。

けさちいな

ポルトガルから伝来した南蛮菓子の一つ。17世紀に成立した『南蛮料理書』にその名が見える。原型はポルトガルのチーズ菓子ケイジャーダとみられる。ケイジャーダは大まかにいうと、チーズの餡を小麦粉の生地に包んで焼いた菓子。リスボン近郊の都市シントラ…

鶏卵素麺 けいらんそうめん

ポルトガルから伝来した南蛮菓子の一つ。 卵黄をジョウロで糸状にして、熱した砂糖溶液に垂らすポルトガル菓子の「フィオシュ・デ・オヴォシュ」(ポルトガル語で「卵の糸」)が伝わったものといわれる。

カステラ かすてら

卵と小麦粉、砂糖を混ぜた生地を焼いた菓子。16世紀後半以降、来日したヨーロッパ人宣教師らによって伝えられたとみられる。

鉄炮(平戸) てっぽう

戦国期、肥前平戸において製造された鉄炮。

鯛(佐賀関) たい

豊後国佐賀関やその周辺で水揚げされた鯛。佐賀関沖の豊後水道は黒潮が瀬戸内海へと流れ込んでおり、鯛をはじめブリ、アジ、サバなどの漁獲資源の宝庫として知られる。中世、若林氏ら佐賀関の武士も漁労に関わっていた。

石火矢(豊後) いしびや

豊後国で製造されたとみられる大型砲。豊後を支配した大友氏は後期倭寇やイエズス会(ポルトガル)勢力と結び、対外貿易を積極的に展開しており、これにより製造技術が移入されたものと思われる。

豊後筒 ぶんごづつ

豊後国で製造された鉄炮。豊後国は刀剣の生産地としても知られ、鉄炮製造のための技術的・資源的な素地に優れていた。

硫黄(豊後) いおう

豊後国の山岳地帯において産出された硫黄。中世、遣明貿易に関与した大友氏によって中国にも輸出された。

鉄(豊後) てつ

豊後国、特に国東半島で大量に精錬されたとみられる鉄素材、及びその製品。

練酒 ねりざけ

中世以降、博多で製造された酒。江戸期の儒学者・貝原益軒は『筑前国続風土記』の中で、「その色、練絹の如くなるゆえ練酒(ねりざけ)と称す。昔よりありて久しき名産なるべし」としている。