戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

宝石珊瑚 ほうせきさんご

サンゴ虫と呼ばれるある種の動物によって、海中に形成されたもの。古来より宗教的・儀礼的な宝飾品として珍重された。

ペルシア絨毯 ぺるしあじゅうたん

ペルシア(イラン)産の高級絨毯。宮廷工房を中心とする都市の工房で作られた。優れた素材を用い、高度な技術とデザインを持つ職人の手によって織られ、洋の東西で高く評価され、珍重された。

照葉 てるは

黒川隆尚の後家。宗像氏貞(鍋寿丸)の母。近世成立の史料では、大内氏重臣・陶隆房の姪とされる。氏貞の家督継承に尽力した。なお「照葉」は、増福院の『山田地蔵尊由来記』にみえる名前。一次史料では、「大方殿」と呼称されている。

ウルスラ(マニラ) うるすら

17世紀初頃のルソン島・マニラの住民。日本出身の奴隷。女性。手相を読むことで、未来を予測することができたという。

真那賀香 まなかこう

東南アジアのマラッカに由来する沈香。江戸期の香道において、「伽羅」「羅国」「真南蛮」「蘇門答刺」「佐曾羅」とともに「六国」の一つに数えられた。

羅国香 らこくこう

シャム王国(タイ)のロッブリー地方((チャオプラヤー河中流域))産の沈香。「羅国」とは、中国の文献にみえる「羅斛」(Lo-fu,ロッブリー地方)の宛字とみられる。

真南蛮香 まなばんこう

シャム王国(タイ)で産出された沈香。江戸期の香道において、「伽羅」「羅国」「蘇門答刺」「真那賀」「佐曾羅」とともに「六国」の一つに数えられた。

伽羅 きゃら

最高品質の沈香木。樹脂分の凝集度が極めて高く、潤沢な黒色が特徴。中国および日本で珍重された。現在のベトナム中部沿海に栄えたチャンパ(占城)王国の地が、産地としてよく知られた(他地域でも産出はした)。 高価な香木 日本での伽羅 参考文献 高価な…

沈香 じんこう

ジンチョウゲ科ジンコウ属の植物から生じる香木。この植物の材、とくにその枯乾そた木質の部分などに樹脂が沈着凝集した部分だけを採集したものが沈香木と呼ばれる。熱することで独特の芳香を放つ。

水牛 すいぎゅう

ウシ科の大形哺乳類。アジアでは古くから家畜化されており、中世には中国、東南アジア、インド、中東、ヨーロッパにまで広く分布していた。日本では対外貿易を通じてその角が輸入されており、江戸前期からは皮の輸入も史料にみえる。 水牛の角 水牛の皮 生き…

紅夷砲 こういほう

17世紀初期、明朝に導入された高性能のヨーロッパ式大砲。強力な破壊力と長い射程距離、高い命中精度を誇る点で従来の火器よりも飛躍的に優れた性能を有していた。

嚕蜜銃 るーみーじゅう

オスマン帝国(嚕蜜国)を起源とする鉄砲。16世紀、オスマン帝国から中国の明朝にもたらされた。朝鮮半島での日本軍との戦争を契機として明朝に採用され、同国の辺境防衛などに投入されて威力を発揮した。

ラッコ皮 らっこかわ

ラッコの毛皮。日本では、ウルップ島(ラッコ島)など千島列島が点在するオホーツク海域で捕れたと推定されるラッコの毛皮が流通した。さらに中国や琉球にも移出された。海虎皮あるいは猟虎皮、海獺皮などと表記されている。

越後布 えちごふ

越後国で織られた芋麻布。 越後は芋(からむし)の一大産地であり、その加工品である青苧から積むいだ糸を用いて織られた越後布は、高級品として珍重された。

伊勢布 いせふ

伊勢国で織られた芋麻布、あるいは木綿布。保内商人らによって近江や京都にも運ばれた 。

宋刊本『中庸説』(東福寺所蔵) ちゅうようせつ

中国南宋の張九成によって著された儒書。宋代の刊行本が唯一、京都東福寺に現存している。端麗な宋版の実例としての書誌学的価値から、国の重要文化財に指定されている。

唐本『仙仏奇踪』(角倉素庵所持) せんぶつきそう

『仙仏奇踪』は、中国明朝の儒学者・洪応明が万暦三十年(1602)に編纂した唐本。四編からなる。一つは仙人六十三人の伝記とその図像からなる「消搖墟」。一つは仏祖六十一人の伝記とその図像を載せる「寂光境」。一つは道教経典や道士の語録などからの…

櫛間 くしま

志布志湾の東端、福島川の河口部に位置する港町。現在の宮崎県串間市。日南海岸の南端部にもあたり、東は日向灘に面する。日向国や土佐国と大隅国をつなぐ海路の要衝にあり、琉球や東南アジア方面との対外貿易の基地ともなった。戦国期、島津氏と肝付氏が激…

土佐弓 とさゆみ

木材の産地として知られる土佐国において、弓はその副業的手工業製品として製作されたとみられる。戦国期には「土佐弓」とも呼ばれ、有力者間の贈り物にも用いられた。 乃美宗勝と「土佐弓」 土佐一条氏 堺商人による購入 参考文献 乃美宗勝と「土佐弓」 南…

楠見 善左衛門尉 くすみ ぜんざえもんのじょう

伊豆国口野郷の港町・江浦の問屋商人。戦国期、駿河東部の国人領主・葛山氏のもとで、江浦の支配にも関わった。弘治三年(1557)三月二十四日付の葛山氏元判物の宛先に、その名がみえる。

橘屋 又三郎 たちばなや またさぶろう

堺の貿易商人。鋳物師。種子島より鉄砲の技術を堺に持ち帰ったといわれる。

三井 元助 みつい もとすけ

長門国阿武郡大井浦の船頭。弥左衛門尉。大内氏に協力し、船の通行料免除等の優遇を受けた。

練酒 ねりざけ

中世以降、博多で製造された酒。江戸期の儒学者・貝原益軒は『筑前国続風土記』の中で、「その色、練絹の如くなるゆえ練酒(ねりざけ)と称す。昔よりありて久しき名産なるべし」としている。

カンボジア絣 かんぼじあ かすり

カンボジアは、インドシナ半島のなかでも優れた染織文化を有していた。特に非常に繊細な絹の絣は、その色の美しさや括り技術の精緻さでアジアの絣のなかでも群を抜いているという。

山査 さんさ

16世紀末、朝鮮の役で明朝に降った日本兵の一人。剣術に通じ、明朝の京営(京師在駐の禁軍組織)で剣術の教師となった。

佐々木 刑部助 ささき ぎょうぶのすけ

紀伊国西部の紀之湊(雑賀荘湊地域)の廻船商人。関東との交易を行った。

薩摩屋 宗忻 さつまや そうきん

和泉堺の町衆。「薩摩屋」という屋号から、同じ屋号を持つ茶人・山上宗二の一族である可能性がある。

握郎烏丕沙哥

カンボジア商船の船主。天正七年(1579)に日本に来航した。カンボジア王が大友宗麟に派遣した使節団を伴い豊後を目指していたが、薩摩に漂着して島津氏に抑留された。

ジョルジェ・アルヴァレス じょるじぇ あるばれす

ポルトガルの貿易商人兼船長。16世紀の前~中期頃に東アジアで活躍した。イエズス会宣教師ザビエルと深い信頼関係にあった人物であり、ザビエルの日本や中国での布教を援助した。

パブロ(マニラ) Pablo

1570年(元亀元年)、ルソン島のマニラに在住していた日本人キリシタン。スペイン人のマニラ占領の際、現地のムスリムとともに抵抗したという。