戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

イルカ いるか

イルカは小型の鯨類であり、日本近海にも生息するため、古くから(考古学上では縄文期にも遡るといわれる)利用されてきた。中世、珍重された食材の一つであり、贈答品や饗応の際にも用いられた。

鯨 くじら

鯨は古くから知られた大魚であり、平安期の『和名類聚抄』には「いさな(鯨) 」としてみえる。 鯨食が本格化したのは中世以降。貴重な高級食材であり、貴人の間での饗応や贈 答に用いられた。浜に打ち上げられた鯨を捕獲するだけでなく、銛による捕鯨も 一…

川獺 かわうそ

日本では環境省によって2012年に絶滅種に指定されたが、かつて川獺は九州から北海道まで全国に生息していたという。戦国期には食材としても用いられた。

狸 たぬき

中世、狸は日常的に食べられていた。特に酒の肴として中央、地方を問わず好まれていたようである。

卵 たまご

中世の日本では卵を食べるという行為は、禁忌に属するものだった。ところが17世紀前半には、料理本に卵料理が紹介されるに至る。この変化の原因の一つには、16世紀後半にヨーロッパ人が卵を食べる文化を持ち込んだことがあるといわれる。

トウガラシ(日本) とうがらし

トウガラシは紀元前8000年〜7500年には、ペルーで栽培が始まっていたといわれる。その後、15世紀末のコロンブスクリストバル・コロン)によるアメリカ大陸到達を契機にヨーロッパにも知られるようになった。日本への伝来は諸説あるが、16世紀末…

松茸 まつたけ

アカマツの根に生える食用キノコ。発生時期は秋頃。梅雨頃に生える季節外れの松茸は早松(さまつ)と呼ばれる。日本では古くから高級食材として珍重された。

赤米 あかごめ

南アジア原産で、中世以降に日本(特に西日本)での栽培が確認される米の一種。現在のベトナムにあったチャンパ(占城)から11世紀に中国の華中・華南に導入されたイネの系統といわれる。日本では大唐米とも呼ばれ、長粒で玄米の色は白と赤があったが、多く…

羊羹 ようかん

小豆と小麦粉または葛粉と混ぜたものを蒸して作られたお菓子。いわゆる蒸し羊羹に近いものだったといわれる。室町期ごろから、点心の一つとしてみえ、御成・饗応の席などでしばしばお菓子として用いられた。

藍(阿波) あい

中世日本の代表的な染料。阿波国での生産は、鎌倉期にさかのぼる。

太布(土佐) たふ

和紙の原料でもある楮(こうぞ)の皮を加工した繊維で織られた布。土佐では木綿以前の庶民衣料として麻布、紙子とともに普及していた。戦国期、堺商人や伊勢御師の活動により、かなりの量の太布が畿内方面に移出されていた。

赤銅(備後) しゃくどう

備後国の鉱山において採掘された銅の合金。赤銅の比率は銅に対して金3~4%、銀1%で構成される。緑青・硫酸銅・ミョウバンなどを混合した液で煮ると黒みを帯びた紫色になり、古くから仏像・装飾品などの金属工芸にも用いられた。

備後表 びんごおもて

備後国で生産された畳表。同国沼隈地方で栽培されていた藺草を原料として作られたとみられる。室町期には「備後表」としてのブランドが知られており、織田信長が築城した安土城でも使用されたことが記録にみえる。

備後砂 びんごずな

備後国帝釈峡・夏森で産出された白色粒状の石灰石。石灰石が黒雲母花崗岩の貫入を受け、その接触部が熱のため変質して糖晶質になった結晶質石灰岩であり、特に備後砂は日本で採掘されるもののうちでも炭酸カルシウム純度が極めて高く、良質であるとされる。

平野石 ひらのいし

山口県周南市四つ熊ヶ岳周辺より産出する安山岩。中世から近世初頭にかけて山口県内でもっとも広く分布し、また最も多く利用された石材。正式名称は黒雲母角閃石安山岩。色調は灰白色を呈し、風化で灰褐色となる。石質は軟質で非常に加工に適しており、古く…

エルサレム Jerusalem

地中海東岸、パレスチナ地方の中心都市。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教それぞれの聖地。紀元前から文献にみえ、16世紀にはオスマン帝国の支配下で繁栄した。

山口革 やまぐちがわ

周防国山口で生産された革製品。江戸期、特に山口革製のたばこ入れは、萩焼(松本焼)や赤間硯とならぶ萩藩の人気商品だった。

上関 かみのせき

周囲を囲む長島と熊毛半島によって、波と風から守られた良港。周防灘、豊後水道および安芸灘の結節点という要衝にあった。平安期から室町中期にかけては、専ら「竃戸」あるいは「竃戸関」と呼ばれた。 平安期以来の港町 瀬戸内海の海関 上関の水運 海賊たち…

村上 武満 むらかみ たけみつ

16世紀後半、上関を拠点に活動した海賊衆。源三郎。刑部少輔。江戸期の能島村上氏の系図や上関天満宮(菅原神社)の常夜燈の銘文では、村上吉敏の子とされている。

村上 吉敏 むらかみ よしとし

能島村上氏の系図で、上関に在城していたとされる人物。村上武満の父とされている。