戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

木鉄砲 きてつほう

砲身を木で拵えた木砲。木筒とも呼ばれた。16世紀中期の中国明朝では日本の「木銃」の模造が図られていた。江戸期の軍記物『南海治乱記』では、木鉄砲は伊予河野氏から始まるとする。

梨子羽 景運 なしわ かげゆき

沼田小早川氏庶子家・梨子羽氏の当主。仮名は又次郎。官途名は中務丞。平賀興貞の子で、同広相の弟。梨子羽康平の養子となって梨子羽氏の跡を継いだとみられる。小早川家中の上位にあり、出雲、伊予、備中などでの軍事活動が確認できる。

西条柿 さいじょうがき

安芸国賀茂郡が発祥とみられる渋柿。広島県東広島市西条町寺家の長福寺に原木があったと考えられている。戦国期に安芸国だけでなく石見国や出雲国、伯耆国ほかに伝播。江戸期には「西条柿」として全国に知られた。

高麗鷹 こうらいたか

朝鮮半島から日本に輸入された鷹狩り用の鷹。中世の武士たちにとって鷹狩りは一種のステータスであり、鷹は威信品でもあったと思われる。その中でも朝鮮半島から舶来した鷹は特に珍重された。

高麗扇 こうらいおうぎ

朝鮮半島で製作された摺扇。11世紀、日本の摺扇は中国で好評を博したが、高麗に輸出された物も多かった。高麗では日本扇を中国に輸出する一方で、自国で製作した摺扇も国外に輸出。戦国期の日本でも贈答品として用いられた。

仮倭扇 かわせん

日本の摺扇(倭扇・日本扇)を模して作られた扇。中国明朝において、日本の遣明使節と関係が深い浙江地方において生産された。16世紀中期、寧波で「仮倭扇」が作られていたことが記録にみえる。

遣唐扇子 けんとうせんす

日本の扇は、中国の扇(団扇、方扇)とは違って折り畳める点と、そこに描かれた様々な主題の繊細な絵が好評を博していた。それらは中国では「摺扇」「摺畳扇」「折扇」などと呼ばれた。一方、室町・戦国期の日本では、遣明使節の進貢品の扇を「遣唐扇子」「…

梨子羽 康平 なしわ やすひら

沼田小早川氏庶子家・梨子羽氏の当主。官途名は刑部少輔、後に備後守か。小早川敬平の三男で扶平の弟。譜代被官の真田氏や一族の船木常平らとともに惣領家を支えた。

アトラス・ブリュッセル Atlas Bruxellensis

スペイン王フェリペ2世の国王地理学者であったクリスティアン・スクローテンによって製作された地図集。ペンとインクで手描きし、そのうえに水彩絵の具で彩色した37幅の地図が収録されている。

クリスティアン・スクローテン Christian Sgrooten

16世紀後半、クレーヴェ公国のカルカーを拠点に活動した地図製作者。スペイン王フェリペ2世の国王地理学者の一人として活動し、代表作として「アトラス・ブリュッセル」と「アトラス・マドリード」という二つの地図集を遺した。

浜名納豆 はまななっとう

遠江国浜名湖周辺で作られた大豆の発酵食品。戦国期、今川氏領国にて贈答品として用いられており、駿河に下向していた山科言継はその製法を日記に記している。

著羅絹 ちょろけん

16世紀末ごろから日本に輸入された絹織物の一種。鎖服、知与呂介牟、長羅絹とも。厚手の生地で木目文様が特徴とされる。

兜羅綿 とろめん

綿糸に動物の毛をまぜて織った毛織物。主に中国から輸入された。室町期は高い身分の者しか使用が認められない貴重品だった。江戸期に入るとより高級な毛織物である羅紗などが輸入され、価値が相対的に低下。一方で足袋の素材となるなど、下級武士、庶民にも…

伏見酒 ふしみさけ

洛南の伏見で造られていた酒。「伏見酒」の語がみえるのは16世紀末であり、当時は興福寺などの僧坊が作る奈良の酒と競合していた。また酒造業発展の背景には、豊臣政権による伏見城下町の整備があるといわれる。

門司 日向守 もじ ひゅうがのかみ

大内家臣。天文十六年(1547)の遣明使節の一号船に「御用人衆」の一人として参加。北京に赴き、大内氏が調えた進貢物を明朝の礼部に納めた。

山口酒 やまぐちさけ

周防国山口で造られたとみられる酒。天文八年度と天文十六年度の遣明使節の記録にみえる。両方とも山口を本拠とする大内氏が経営主体となっており、赤間関等で遣明船に積み込まれたとみられる。

道後酒 どうごさけ

伊予国道後で造られたとみられる酒。伊予酒とも。慶長十六年(1611)頃から日記類にみえるようになる。17世紀中頃には伊予を代表する産物として全国に知られた。

三原酒 みはらざけ

備後国の港町三原で造られた酒。17世紀初頭からその名が見える。三原では福島正則入部後に酒造業が発達したとみられ、その後全国屈指のブランドとなった。

尾道酒 おのみちざけ

備後国の尾道およびその周辺で生産された酒。室町期以前から酒造業が盛んであったとみられ、『庭訓往来』には名産として「備後酒」がみえる。16世紀末には全国的にも知られる酒となっており、貴人の贈答品としても用いられた。