戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

蜜柑(東海地方) みかん

戦国期、蜜柑は、相模や駿河などの東海地方で栽培されていた。北条氏や徳川氏をはじめとする有力者間の贈答品にも用いられた。

江川酒 えがわしゅ

伊豆国韮山周辺において、生産された酒。関東を代表する名酒として、全国的に知られた。

木綿(駿河国) もめん

駿河国において生産された木綿。同国では今川氏や武田氏から「木綿役」が賦課される重要物資であった。

鯨(伊勢・尾張) くじら

中世、伊勢・尾張の近海では、鯨が多く捕獲された。15世紀以降、史料上に鯨に関する記事が散見されるようになる。16世紀には捕鯨技術が確立されていたことも確認できる。

肥鰯 こえいわし

戦国期、三河国や伊勢国などでは「こえいわし」が販売されていた。当時の両国は、有力な木綿生産地であり、鰯が肥料として用いられた可能性がある。

三河木綿 みかわもめん

三河国において生産された木綿。16世紀初頭には栽培が定着し、貴人への贈り物にも用いられた。

水銀(伊勢) すいぎん

伊勢国では、飯高郡丹生を中心に水銀が産出された。水銀は主に、銅器の鍍金料などに用いられた。

径山寺味噌 きんざんじみそ

中世以降、紀伊国の湯浅などで生産されていた嘗め味噌。伝承によれば由良興国寺の開山・覚心が鎌倉前期に中国の南宋から伝えたとされる。

根来塗 ねごろぬり

中世、紀伊国根来寺で生産された朱漆器。黒漆の地塗りの上に、朱漆の上塗りが施されている。神社や仏寺の什器として使用された。江戸期では民間に流出して広く使われるとともに、「根来」や「根来物」などと呼ばれて珍重された。なお「根来塗」の名は、黒川…

クリストバン くりすとばん

マニラ-アカプルコ間航路の日本人乗組員。コスメという弟がいた。後にイギリスに渡る。

ルクレシア るくれしあ

ポルトガル・セルパの日本人奴隷。日本に来航したカピタンモール、ロッケ・デ・メロ・ペレイラに仕えた。ペレイラの死後、他の日本人奴隷とともに相続人に与えられた。

ハポン(リマ) はぽん

17世紀初頭、ペルーのリマに住んでいた日本人。職業は、ひだ襟職人。

フランシスコ・ハポン ふらんしすこ はぽん

16世紀末、南米アルゼンチンのコルドバに在住していた日本人。

唐ミソ とうみそ

奈良興福寺の子院、多聞院で作られていた発酵食品。鼓(くき)。大豆と麦から作る麹に塩と水を加えて作る。多聞院ではさらに唐ミソを漉して「唐ミソノ汁」を採っていた。これが現代の醤油に通じる源流の一つであった可能性も指摘されている。

「醤油」(興福寺多聞院) しょうゆ

奈良興福寺の子院、多聞院で作られていた液体調味料。『多聞院日記』の永禄十一年(1568)十月二十五日の記事にみえる。現在の「醤油」と同じ文字の単語がみえる早い例。

南蛮餅 なんばんもち

戦国期には京都で作られていたお菓子。小麦粉、黒砂糖、葛粉を材料とし、これらをこねたものを蒸して作られた。饅頭に比べて安価だったらしい。

国友筒 くにともづつ

近江国北部の国友村で製造されたか、または国友出身の鉄炮鍛冶によって製造された鉄炮。 天文十二年(1543)の鉄炮伝来後、かなり早い段階から製造が開始された。特に16世紀末から元和元年(1615)の大坂戦役にかけての時期には、徳川氏や諸大名の…

堺筒 さかいづつ

堺の鉄炮鍛冶によって製造された鉄炮。

日本刀(琉球) にほんとう

琉球船によって中国や東南アジア各地に輸出された日本製の刀剣。17世紀の琉球について記した『中山紀略』土産条では「刀」や「摺扇」、「漆器之類」などが全て日本から来るとされている。

タバコ(琉球) たばこ

タバコはアメリカ大陸からヨーロッパへと伝わり、17世紀初頭には、日本でも流行が始まっている。同じ頃、琉球でもタバコが普及し始めていた。

芭蕉布 ばしょうふ

糸芭蕉からとれる繊維を用いて織られた布。16世紀後半以降、芋布(太平布)とともに琉球王国を代表する織物となった。同国で着衣として用いられた他、国外にも移出された。

琉球馬 りゅうきゅうば

中世、琉球王国内において大量に飼育された馬。琉球では貝塚時代の遺跡から、馬の歯の出土が確認されている。琉球馬の系統は、一説には中国の四川省や雲南省あたりの小型の馬に近いともいわれる。

太平布 たいへいふ

宮古、八重山諸島において織られた芋布。「太平」の名は太平山(宮古の別称)によるとされる。 琉球で着衣などに利用されたほか、薩摩などにも移出された。

マリア・ペレイラ まりあ ぺれいら

16世紀末、ポルトガルのリスボンに在住していた日本人奴隷。

屋久杉 やくすぎ

大隈諸島の一つ屋久島の、標高500メートルを越える山地に自生する杉。栄養の少ない花崗岩の島に生える屋久杉は成長が遅く木目が詰まっており、降雨が多く湿度が高いため、樹脂分が多く腐りにくい特徴を持つ。このため木材として優れていた。この屋久杉の伐採…

対馬砥石 つしま といし

対馬の浅芽湾で採れる砥石。漆磨きや金銀の磨きに使用された。江戸期には全国的に知られた砥石であり、中世でも日本各地の遺跡から出土している。

けさちいな

ポルトガルから伝来した南蛮菓子の一つ。17世紀に成立した『南蛮料理書』にその名が見える。原型はポルトガルのチーズ菓子ケイジャーダとみられる。ケイジャーダは大まかにいうと、チーズの餡を小麦粉の生地に包んで焼いた菓子。リスボン近郊の都市シントラ…

鶏卵素麺 けいらんそうめん

ポルトガルから伝来した南蛮菓子の一つ。 卵黄をジョウロで糸状にして、熱した砂糖溶液に垂らすポルトガル菓子の「フィオシュ・デ・オヴォシュ」(ポルトガル語で「卵の糸」)が伝わったものといわれる。

カステラ かすてら

卵と小麦粉、砂糖を混ぜた生地を焼いた菓子。16世紀後半以降、来日したヨーロッパ人宣教師らによって伝えられたとみられる。

鉄炮(平戸) てっぽう

戦国期、肥前平戸において製造された鉄炮。