戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

1.都市

伊尾 いお

備後国世羅郡大田庄桑原郷の集落。現在の広島県世羅郡世羅町伊尾。初期の大田庄の開発を担った橘氏、および鎌倉初期に地頭となった三善氏の本拠地となった。戦国期は尾首城主であった湯浅氏の本拠となり、同氏によって大通、近森の両地区の開発が進められた。

白潟 しらかた

出雲国宍道湖東岸の港町。宍道湖東側の出口に形成された砂州の先端付近に形成されたとみられる。水陸の交通の要衝であり、また職人ら多くの住人を抱える都市でもあった。

高山 こうざん

備後国世羅郡大田庄の今高野山およびその門前町。中世、紀伊国の高野山領となった大田庄の支配拠点となったとみられる。17世紀初頭の福島正則の時代には安芸・備後屈指の町場へと発展していた。江戸期の名称は「甲山町」であったが、文政三年(1820)…

岩国 いわくに

周防国最東部の錦川河口部の港町。古来より山陽道の要所であり、また錦川流域と瀬戸内海の結節点であった。中世には周防守護・大内氏の有力家臣である弘中氏の拠点となり、周辺には多くの警固衆が存在した。江戸期には吉川氏が岩国城を築いて入部した。

マラケシュ Marrakech

北西アフリカのモロッコ王国の中南部にあったオアシス都市。高アトラス山脈の北麓に位置する。11世紀にムラービド朝によって築かれて以後、王朝の首都として、またサハラ交易の拠点として繁栄した。

マスカット Muscat

アラビア半島東端に位置する港町。現在のオマーン国の首都。ペルシア湾の入口に位置し、ペルシア湾とアラビア海、インドなどを結節する海上交通の要衝。16世紀にポルトガルの拠点となり、後にヤアーリバ朝やブーサイード朝の下、インド洋海域における交易…

アインターブ Ayntab

アナトリア南部の都市。現在のトルコ共和国ガズィアンテプ県の県都ガズィアンテプ。その語源はアラビア語の「アイン・タイイブ(良き泉)」が転訛したものとされ、豊富な水と食料があった。マムルーク朝の最北端の都市であり、多くの言語、文化が混在した学…

日積 ひづみ

周防東部の街道の要衝に位置した市場町。現在の山口県柳井市日積の鍛冶屋原地区には、大内氏の代官・杉氏が屋敷を構え、鉄材料を加工する鍛冶がいたことが遺跡と史料から分かっている。

ニュルンベルク Niamberg

ドイツ南部バイエルン地方の都市。ペーグニッツ河の両岸に市街地が形成されている。金属加工業を中心とした手工業が発達し、また国際商業の町としても栄えた。神聖ローマ帝国における重要都市でもあり、15世紀以降、帝国宝物の保管が市参事会に委ねられて…

ライプツィヒ Leipzig

ドイツ東部、ザクセン地方の中心的な商業都市。中世以来、大市が開催され、フランクフルトとともにドイツの代表的な大市開催都市として知られた。また周辺地域の鉱業と毛織物業を軸にヨーロッパ各地との交易で繁栄した。

クラクフ Kraków

ポーランド南部、小ポーランド地方の都市。ヴィスワ川上流に位置する。14世紀から17世紀初頭までポーランド王国の首都ないし中心都市であり、通商ルートの要衝にあって遠隔地を結ぶ国際貿易で栄えた。

高山 たかやま

沼田小早川氏の居城・高山城の城下町。沼田荘を流れ瀬戸内海に注ぐ沼田川と山陽道(西国街道)の結節点という交通の要衝に位置する。

南澳 らまう

潮州府の東南に面した外海に浮かぶ南澳島の港町。16世紀、日本との密貿易の拠点となった。明代には所謂「潮州の海寇、多く南澳より入り」と言われ(『南澳程郷議』)、海寇の拠点でもあった。

浯嶼 ごしょ

中国福建・漳州湾南東部の小島の港町。ポルトガル人らが集まる密貿易拠点であったが、後に現地の海寇が引き入れた倭寇の前進基地ともなった。

双嶼 そうしょ

浙江省寧波府の近海、舟山列島の六横島東岸の港町。同島は南シナ海から福建・広東沿岸を北上し、あるいは日本から東シナ海を渡って、寧波方面に向かう船舶が経由する水道上に位置する。中国有数の密貿易港として知られ、ヨーロッパの史料には「リャンポー(L…

海滄 かいそう

中国福建・厦門湾北岸の港町。対岸の月港とならぶ密貿易港として知られた。

浪白澳 らんぱかう

広州湾沖にあった浪白澳島の港町。上川(サンシャン)とともにポルトガル人の交易の拠点となった。浪白澳(ランパカウ)の地名は、1537年(天文六年)成立のガスパル・ヴィエガスの地図に「ラブパ(Labupa)」もしくは「ラブプス(Labups)」としてみえ…

上川 さんしぁん

広州湾沖の西南に浮かぶ上川島の港町。浙江や漳州での通商に失敗したポルトガル人が、新たな交易拠点とした。ポルトガル人の日本渡航の際の中継港でもあった。

草戸 くさど

備後国南部、芦田川河口部の港町。鎌倉期に成立し、地域経済拠点としての役割を果たしながら、16世紀初頭まで存続した。なお集落の名称は時代によって「草津」、「草井地(くさいじ)」、「草出(くさいつ)」、「草土(くさど)」、「草戸(くさど)」な…

深津(備後) ふかつ

備後国の福山湾に面した港町。中世までは蔵王山から南へ突き出た深津丘陵によって深い湾が形成されていたとみられる。現在の広島県福山市東深津町。9世紀の文献に市場の賑わいが記されており、中世においても活発な商取引があったと推定される。

マンガゼヤ Mangazeya

シベリア北西部、タズ湾に注ぐタズ川河畔の都市。1600年(慶長五年)にロシア・ツァーリ国の遠征隊によって建設されたことを始まりとする。毛皮資源獲得の拠点であり、北極海沿岸航路やオビ川を経由して多くの商人や狩猟者が来航した。

佐志 さし

佐志川河口部の潟湖に面した港町。現在の佐賀県唐津市佐志地区。中世、松浦党・佐志氏の本拠となった。遺跡からは中世の湊の遺構が見つかっており、栄えた交易港であったことが推定されている。

モンバサ Mombasa

インド洋上の小島・モンバサ島北東部の港町。現在のケニア共和国南東部に位置する。12世紀にはアラブ人地理学者イドリーシーの地理書にその名がみえる。アフリカ内陸部との象牙交易と、その象牙を対価としたインド洋交易で栄えた。

マリンディ Malindi

ケニア南部、インド洋に面する港町。12世紀にはアラブ人地理学者イドリーシーの地理書にその名がみえる。インド洋交易で栄え、15世紀初頭には中国明朝の使節も来航。15世紀末のヴァスコ・ダ・ガマ来航以後は、ポルトガルと協力関係を結んだ。

モガディシュ Mogadishu

インド洋に面するアフリカ東端の港町。現在のソマリア共和国の首都モガディシオ。12世紀後半から13世紀初め以後に、アデンからキルワ王国に至る航海上の寄港地として急速に発展した。織物や砂糖、象牙、黒壇等の特産品の輸出港としても知られた。

グレートジンバブウェ Great Zimbabwe

東南アフリカに栄えたグレートジンバブウェ国の王都。サビ川の支流ルンデ・ムトゥリクウェ川の上流地域でジンバブウェ高原の南縁に位置する。グレートジンバブウェの丘や、その南麓のグレートエンクロージャーなどの遺跡群等から往時の繁栄が知られる。

マプングブウェ Mapungubwe

東南アフリカのリンポポ川とシャシ川の合流点に位置する都市。マプングブウェの丘と麓一帯に形成された。インド洋交易で栄え、最盛期には3000から5000の人口があったと推定されている。

ツラメラ Thulamela

東南アフリカのリンポポ川中流域の都市。南アフリカ共和国リンポポ州にツラメラ遺跡として残る。トルワ系の支配者を頂き、インド洋交易に関わっていたことが推定されている。

カミ Khami

ジンバブエ高原南西部を支配領域としたトルワ王国の王都。現在のジンバブエ共和国第2の都市ブラワヨの西20キロメートルに位置するカミ遺跡がその跡地と考えられている。

キルワ Kilwa

アフリカ東岸沖に浮かぶ小島キルワ・キシワニの港町。現在のタンザニア連合共和国リンディ州キルワ県。キルワ王国の王都であり、金や象牙、奴隷などの貿易によって繁栄した。