戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

2.交易品-03.中国・四国地方

鯨(長門) くじら

長門国の日本海沿岸には鯨の漂着が時々あり、寄鯨と呼ばれた。中世には、食用だけでなく鯨油も使用された。貴重な資源であり、権利をめぐって地域間の争論も発生した。

鯔(周防) ぼら

ボラ目・ボラ科に分類される魚の一種。中世、周防の特産品であり、船で畿内にも運ばれた。

石見榑 いわみくれ

中世、石見の材木は「石見榑」とも呼ばれ、遠隔地にも流通していた。高津川および匹見川上流域といった益田の後背地には、これを可能にする豊富な森林資源があったことが推定されている。

鉄(備後) てつ

中国山地に接する備後北部地域で産出された鉄素材。中世、備後の特産品として広く知られた。一部は沿岸の港から、畿内方面へも輸出された。

藍(阿波) あい

中世日本の代表的な染料。阿波国での生産は、鎌倉期にさかのぼる。

太布(土佐) たふ

和紙の原料でもある楮(こうぞ)の皮を加工した繊維で織られた布。土佐では木綿以前の庶民衣料として麻布、紙子とともに普及していた。戦国期、堺商人や伊勢御師の活動により、かなりの量の太布が畿内方面に移出されていた。

赤銅(備後) しゃくどう

備後国の鉱山において採掘された銅の合金。赤銅の比率は銅に対して金3~4%、銀1%で構成される。緑青・硫酸銅・ミョウバンなどを混合した液で煮ると黒みを帯びた紫色になり、古くから仏像・装飾品などの金属工芸にも用いられた。

酒(備後) さけ

備後国、特に尾道とその周辺で造られた酒。室町初期に成立したとみられる『庭訓往来』には安芸の榑、備後の酒とあり、備後地域が酒の生産地として知られていた。 歌島の酒屋の訴え 嘉元四年(1306)四月、尾道の対岸にある歌島(現在の向島)の「在家人…

備後表 びんごおもて

備後国で生産された畳表。同国沼隈地方で栽培されていた藺草を原料として作られたとみられる。室町期には「備後表」としてのブランドが知られており、織田信長が築城した安土城でも使用されたことが記録にみえる。

備後砂 びんごずな

備後国帝釈峡・夏森で産出された白色粒状の石灰石。石灰石が黒雲母花崗岩の貫入を受け、その接触部が熱のため変質して糖晶質になった結晶質石灰岩であり、特に備後砂は日本で採掘されるもののうちでも炭酸カルシウム純度が極めて高く、良質であるとされる。

平野石 ひらのいし

山口県周南市四つ熊ヶ岳周辺より産出する安山岩。中世から近世初頭にかけて山口県内でもっとも広く分布し、また最も多く利用された石材。正式名称は黒雲母角閃石安山岩。色調は灰白色を呈し、風化で灰褐色となる。石質は軟質で非常に加工に適しており、古く…

山口革 やまぐちがわ

周防国山口で生産された革製品。江戸期、特に山口革製のたばこ入れは、萩焼(松本焼)や赤間硯とならぶ萩藩の人気商品だった。

土佐弓 とさゆみ

木材の産地として知られる土佐国において、弓はその副業的手工業製品として製作されたとみられる。戦国期には「土佐弓」とも呼ばれ、有力者間の贈り物にも用いられた。 乃美宗勝と「土佐弓」 土佐一条氏 堺商人による購入 参考文献 乃美宗勝と「土佐弓」 南…

赤間硯 あかますずり

長門国赤間関で作られた硯。長門国の名品として全国的に知られており、寛永二十一年(1645)刊行の俳諧論書『毛吹草』には長州名物として船木櫛、萩焼と並んで掲載がある。原石は赤間関周辺で採掘されていたが、江戸期になると厚狭郡の稲倉山や同郡内山…