戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

1.都市-10.東南アジア

ホイアン Hoi An

ベトナム中部、トゥーボン川の河口に形成された港町。紀元前から遺跡が形成され、13世紀ごろまでチャンパ王国のもとで栄えた。16世紀中ごろに広南阮氏の支配下となり、対外貿易港として発展。17世紀初頭には日本町も形成された。

ブルネイ Brunei

ボルネオ島(カリマンタン島)北西部の港市。南シナ海に面した天然の良港に恵まれ、高価な竜脳を代表とするボルネオ島産物の積出港として知られた。ルソン島やモルッカ(マルク)諸島とマラッカを結びつける中継港としても栄えた。

スコータイ Sukhothai

スコータイ王朝の王都。タイの北部、現在のムアンスコータイ郡の旧市街。13〜14世紀に栄え、現在もスコータイ遺跡群として残っている。また同王国で生産された陶器は日本にも輸入され、宋胡録と呼ばれた。

マキアン Makian

インドネシアのマルク諸島(モルッカ諸島)の一つマキアン島の港町。マキアン島は、テルナテ島とならぶ丁子(クローブ)の産地であり、マルク諸島最良の港を持つことで知られた。

コタバト Cotabato

フィリピン南部のミンダナオ島に栄えたマギンダナオ王国の王都。16世紀に初頭にイスラームを受容し、フィリピンに進出したスペインと激しく争った。貿易面では、周辺の海洋民を勢力下におき、テルナテなどマルク諸島との交易が活発だった。

テルナテ Ternate

インドネシアのマルク諸島(モルッカ諸島)の一つテルナテ島の東岸の港町。テルナテ島はマルク諸島最大のハルマヘラ島の西海岸沖合10キロメートルに位置する。テルナテ王国の王都であり、丁子(クローブ)の積出港として栄えた。

デマ Demak

ジャワ島北岸に栄えたデマ(ドゥマク)王国の王都。同国はジャワ島で最初のイスラーム王国とされる。香料産地とマラッカとの中継港として栄えた。

マジャパヒト Majapahit

ジャワ島東部に栄えたマジャパヒト王国の王都。ブランタス川の下流右岸平地(現在のトロウラン)に位置した。同国は元朝や明朝とも通交しており、琉球の使節が訪れたこともあった。

バルス Barus

インド洋に面するスマトラ島北西岸の港湾都市。バルス王国の王都。スマトラ西岸の寄港地として、また竜脳や安息香、金の積出港として栄えた。

ペグー Pegu

ビルマ南部に栄えたペグー王国の首都。1539年(天文八年)にトゥングー王国に占領されてからは同国の首都となった。

メナ Mena

サブ海、フローレス海に面するティモール島の北岸中部に位置する港町。同島の産物、特に白檀の積出港となった。

マカッサル Makassar

スラウェシ島南部ジェネベラン川河口部に位置した港市。ジャワ海域とマルク諸島、ティモール以東とを結ぶ航路の中継地として栄えた。

スンダカラパ Sunda Kalapa

ジャワ島西部地域・スンダ地方の中心的な港市。現在のインドネシアの首都ジャカルタ。16世紀、パジャジャラン王国の属領的外港であったが、その発展は母国を凌ぐものであったという。名称は、「カラパ」(椰子)が多かったことによるという。17世紀初頭…

パレンバン Palembang

スマトラ島東南部、ジャワ海に注ぐ大河・ムシ河から約90キロメートル遡行した地点に形成された港市。内陸物資の集積地であり、マラッカ海峡の要衝を占める国際貿易港としても栄えた。

アゴー Agoo

フィリピン・ルソン島 西部のパンガシナン州リンガエン湾奥、アグノ河の河口にあったとみられる港町。天然の良港であるリンガエン湾にのぞむパンガシナン地方は、元来、遠隔地との通交が盛んな地域であった。

カガヤン Cagayan

フィリピン・ルソン島最北部のカガヤン地方の港町。同地方のカガヤン河の河口にあった日本人集落。史料上に特定の名はないが、便宜上、この項では「カガヤン」とする。

プノンペン Phnom Penh

メコン河口から約300km 遡上した地点に位置し、河川交通の要衝して栄えたカンボジアの交易都市。カンボジア王国を代表する町の一つであり、15世紀には一時その王都となっている。

雲屯 Van Don

中国国境からベトナム北部へと連なる多島海にあった北部ベトナムの貿易港。李朝(1009~1225)、陳朝(1225~1400)から黎朝前期(1428~1527)までベトナム北部王朝の主要貿易港として栄えた。

マニラ Manila

マニラ湾にそそぐパシグ川河口に位置する港市で、ルソン島の中心都市。16世紀までには政治的結合が進んでブルネイの影響下にある首長の治下で大規模な集落が形成されており、既に周辺諸島の交易の中心であった。