戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

2020-09-06から1日間の記事一覧

唐ミソ とうみそ

奈良興福寺の子院、多聞院で作られていた発酵食品。鼓(くき)。大豆と麦から作る麹に塩と水を加えて作る。多聞院ではさらに唐ミソを漉して「唐ミソノ汁」を採っていた。これが現代の醤油に通じる源流の一つであった可能性も指摘されている。

「醤油」(興福寺多聞院) しょうゆ

奈良興福寺の子院、多聞院で作られていた液体調味料。『多聞院日記』の永禄十一年(1568)十月二十五日の記事にみえる。現在の「醤油」と同じ文字の単語がみえる早い例。

南蛮餅 なんばんもち

戦国期には京都で作られていたお菓子。小麦粉、黒砂糖、葛粉を材料とし、これらをこねたものを蒸して作られた。饅頭に比べて安価だったらしい。

国友筒 くにともづつ

近江国北部の国友村で製造されたか、または国友出身の鉄炮鍛冶によって製造された鉄炮。 天文十二年(1543)の鉄炮伝来後、かなり早い段階から製造が開始された。特に16世紀末から元和元年(1615)の大坂戦役にかけての時期には、徳川氏や諸大名の…

堺筒 さかいづつ

堺の鉄炮鍛冶によって製造された鉄炮。

日本刀(琉球) にほんとう

琉球船によって中国や東南アジア各地に輸出された日本製の刀剣。17世紀の琉球について記した『中山紀略』土産条では「刀」や「摺扇」、「漆器之類」などが全て日本から来るとされている。

タバコ(琉球) たばこ

タバコはアメリカ大陸からヨーロッパへと伝わり、17世紀初頭には、日本でも流行が始まっている。同じ頃、琉球でもタバコが普及し始めていた。

芭蕉布 ばしょうふ

糸芭蕉からとれる繊維を用いて織られた布。16世紀後半以降、芋布(太平布)とともに琉球王国を代表する織物となった。同国で着衣として用いられた他、国外にも移出された。

琉球馬 りゅうきゅうば

中世、琉球王国内において大量に飼育された馬。琉球では貝塚時代の遺跡から、馬の歯の出土が確認されている。琉球馬の系統は、一説には中国の四川省や雲南省あたりの小型の馬に近いともいわれる。

太平布 たいへいふ

宮古、八重山諸島において織られた芋布。「太平」の名は太平山(宮古の別称)によるとされる。 琉球で着衣などに利用されたほか、薩摩などにも移出された。

マリア・ペレイラ まりあ ぺれいら

16世紀末、ポルトガルのリスボンに在住していた日本人奴隷。

屋久杉 やくすぎ

大隈諸島の一つ屋久島の、標高500メートルを越える山地に自生する杉。栄養の少ない花崗岩の島に生える屋久杉は成長が遅く木目が詰まっており、降雨が多く湿度が高いため、樹脂分が多く腐りにくい特徴を持つ。このため木材として優れていた。この屋久杉の伐採…

対馬砥石 つしま といし

対馬の浅芽湾で採れる砥石。漆磨きや金銀の磨きに使用された。江戸期には全国的に知られた砥石であり、中世でも日本各地の遺跡から出土している。

けさちいな

ポルトガルから伝来した南蛮菓子の一つ。17世紀に成立した『南蛮料理書』にその名が見える。原型はポルトガルのチーズ菓子ケイジャーダとみられる。ケイジャーダは大まかにいうと、チーズの餡を小麦粉の生地に包んで焼いた菓子。リスボン近郊の都市シントラ…