戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

能美 貞勝 のうみ さだかつ

 大内家臣。官途名は豊後守。周防国柳井に所領があった。安芸国能美島(現在の広島県江田島市)を本貫とする能美氏の庶流か。

所領の没収

 文明三年(1471)四月、大内政弘は母の菩提寺である妙喜寺にいくつかの所領を寄進している。その中に、「周防国玖珂郡柳井庄内十二石五斗 能美豊後守貞勝跡」「同所ニ十五石 (同名)十郎四郎矩経跡」がみえる。玖珂郡柳井庄における能美貞勝と能美矩経の所領は、大内政弘によって没収されていたのだろう。

 没収の経緯は不明だが、文明二年(1470)に政弘の伯父・大内道頓が挙兵しているので、貞勝と矩経はこれに同調したのかもしれない。能美氏では、道頓に寝返った大内武治の家臣・能美貞久の跡地が文明十年(1478)に安富弘行に宛行われている。

参考文献