戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

荒浜屋 宗九郎 あらはまや そうくろう

 越後柏崎の商人。 永禄七年(1564)四月二十日付柏崎町中に宛てた上杉輝虎の制札案の交付先としてみえる。

上杉氏による柏崎支配

  上記の制札は、柏崎に商売のため出入りする牛馬や荷物に対する新役賦課の禁止を約束したもの。柏崎における商業を保護するとともに、青苧流通への賦課を改めて示し、町人の還往についても厳しく規定している。上杉氏による柏崎の町支配の進行を示す極めて重要な内容を含んでいる。

 このような内容の制札が交付される荒浜屋宗九郎は、柏崎の町人組織をまとめる代表者であり、有力な商人であったと思われる。

参考文献

  • 永原慶二 『戦国期の政治経済構造』 岩波書店 1997