戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

二間津 ふたまつ

 豊予海峡に突出した細長い佐多岬半島の北側に湾入した小さな入江に臨む港町。現在の愛媛県西宇和郡伊方町二名津。豊後-伊予間航路の難所である 「速吸の瀬戸」(佐多岬と豊後の海峡部)を通過する際の伊予側の寄港地、停泊地として利用されたと思われる。

 天正十六年(1588 )、鹿児島を発して上洛する島津義弘は、豊後「ほと崎」(保戸島)から潮の様子をみて、一気に難所である速吸瀬戸を横断して「ふたまと」(二間津)に着船している。

 16世紀、豊後大友氏のもとでその本拠・府内を中心とした地域が発展し、豊予海峡を横断する豊後-伊予間航路が活性化した。速吸瀬戸通過のための寄港地、停泊地として重要性が増したものとみられる。

参考文献

  • 山内譲 『中世瀬戸内の旅人たち』 吉川弘文館 2004

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伽藍山の中腹から眺めた二間津(二名津)。

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防波堤から眺めた二名津の港。

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二名津の町並み。

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二名津の町並み。

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名神社の社殿。