戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

真三郎 まさぶろ

 琉球王国の家臣。1541年(天文十年)八月、琉球王の命令を受けて東南アジアへ貿易のために派遣された。

アユタヤへの貿易船

  明朝の年号である嘉靖二十年(1541)八月十日付で出された琉球王国の辞令書によれば、「しより」(首里琉球王)の命令で「まなばん」(真南蛮=東南アジア)に貿易船・セジアラトミ号が派遣されることになった。同船の「ちくどの」(筑殿)に、「まさぶろ」(真三郎)を任命することが記されている。

 『歴代宝案』などの史料によると、このときの貿易船の渡航先はシャム(タイ)のアユタヤであり、真三郎もセジアラトミ号のスタッフとしてアユタヤに渡ったものと思われる。

 この真三郎に出された辞令書は、琉球王が真三郎に給う形式となっている。琉球の海外貿易が、首里政府(琉球王)の直轄で行われる国営事業であったことがうかがえる。

参考文献

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アユタヤ遺跡 from写真AC