戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

石津 いしづ

 今川氏領国の港の一つ。現在の小川港にあたると考えられている。

今川領国の主要港

 永禄三年(1560)三月、駿河今川義元は、清水に繋留してあった中間藤次郎の新船一艘に対する諸役免除を認めた。書状には、今川氏領国の主要港と思われる港が具体名で列挙されている。その中に、小河清水湊懸塚などとともに、「石津湊」がみえる(「寺尾文書」)。

石津湊の位置

 石津湊は、近世石津村内にある湊、現在の小川港に当たると推定されている。

 近世の地誌『駿河記』では、城之腰・鰯ヶ島の両地域(中世の小河湊にあたる)について、浅瀬のため大船が入らないので、積荷は小舟を使って沖で積んでいるとしている。一方で、昔は「田尻太和田湊」にて諸荷を積んだと伝わっている、とする。この「田尻太和田湊」が、戦国期の石津湊に当たるという。

参考文献