戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

木造狛犬(広島県世羅郡世羅町伊尾・井原八幡神社) もくぞうこまいぬ

 井原八幡神社(広島県世羅郡世羅町伊尾)の随神門に祀られていた木造の狛犬。室町期の制作と推定されている。広島県重要文化財。

井原八幡神社随神門の狛犬

 もとは備後国世羅郡大田庄桑原郷(広島県世羅郡世羅町伊尾)井原八幡神社の随神門の左右に祀られていたという。像高54cmの一木造で、彫眼。彩色が施されていたと推測されているが、現在はその大部分が剥落し、木目が表れている。制作年代は室町期と推定されている。

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 井原八幡神社に伝わる棟札写*1のうち、明応二年(1493)二月三日に「藤原朝臣職總」という人物が大檀那となって八幡宮宝殿が造立された際のものがある。ここに「自己前再興 暦応二年己卯二月十日」とあり、井原八幡神社の社殿が南北朝期の暦応二年(1339)に再建されていたことが分かる。

 本像は、井原八幡神社が再建された暦応二年(1339)に奉納された可能性が指摘されている。井原八幡神社には径32cmの大ぶりの懸仏(無銘)や木造鬼面が伝わっているが、これらも木造狛犬とともに奉納されたと推定されている。

参考文献

【井原八幡神社の木造狛犬(複製)】
広島県立歴史博物館 通史展示室にて撮影

【尾首城跡から見た井原八幡神社】

*1:井原八幡神社の古い棟札が傷んだので享保十四年(1729)に新たに書き記した棟札写が作成された。