駿府の有力商人。戦国期、駿府今宿において友野座の商人頭をつとめ、木綿や茜、胡麻、米などを扱った。また今川氏の御用商人として同氏の経済政策にも関わった。
友野座の役割
天文二十二年（１５５３）二月までに、二郎兵衛尉は今川氏から、以前の如く友野座の商人頭であることを認められた。また友野座について、諸役の免除も確認された。また友野座は、江尻・岡宮・沼津での「木綿役」の徴収を担当しており、一方で馬番料として木綿２５端の進納の義務を負っていたことも分かる。
友野二郎兵衛尉および、彼が統轄する友野座は、今川氏の強い庇護を受けていた。また木綿役徴収など、今川氏の経済政策に関わっていたことがうかがえる。
継承された権益
永禄四年（１５６１）八月までに、子の次郎右兵衛尉が跡を継いだ。次郎右兵衛尉には、酒役免除および胡麻油商売役の徴収の特権が、「如前々」として保障された。
永禄九年（１５６６）十月の今宿法度でも、「如前々」として特権が定められた。商人に売り渡す絹布の代米や、「当国損亡之年」のときに伊勢商人から買い取った米穀は、友野座で売買すること、京都搬送荷物の荷改め、他国商人の駿府今宿以外の寄宿禁止、今宿居住は友野氏ら年寄商人の許可を必要とする、こと等が定められている。
上記の事項は特権であるとともに、物流の統制や、米価の安定に関わることでもあった。友野氏が今川氏の商業・流通政策の実務にあたっていたことが分かる。
