戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

三井 実助 みつい さねすけ

 長門国阿武郡大井浦の船頭。弥左衛門尉。元助の子か。

吉見氏麾下の船頭

 元亀三年(1572)正月、吉見頼実*1より加冠を受け、実助と名乗る。「実」は頼実からの偏諱とみられる。

 天正二十年(1592)五月、吉見氏は実助の「今度辛労」を賞し、大井郷の屋敷と同郷大弘寺(大光寺)領内に5石の知行を与えることを約束。あわせて、さらなる馳走が肝要とし、水夫を分散させる事がないよう指示している。

 この時期は既に朝鮮への侵攻(文禄の役)が始まっており、実助ら大井の船頭にも軍事動員が予定されていたのかもしれない。

参考文献

  • 和田 秀作 「「阿武郡大井浦三井文右衛門所持判物写」について」(『山口県文書館研究紀要』第33号) 2006

*1:吉見氏の一族。当主正頼の兄にあたる。大井郷の支配に関わっていた。