戦国日本の津々浦々 ライト版

港町から廻る戦国時代。そこに生きた人々、取引された商品も紹介します。

1.都市

椋梨 むくなし

沼田小早川氏の有力庶子家・椋梨氏の本拠地。現在の広島県三原市大和町椋梨。椋梨氏の居城である堀城の周辺には、屋敷地や市場、寺院などがあったと推定されている。

スコータイ Sukhothai

スコータイ王朝の王都。タイの北部、現在のムアンスコータイ郡の旧市街。13〜14世紀に栄え、現在もスコータイ遺跡群として残っている。また同王国で生産された陶器は日本にも輸入され、宋胡録と呼ばれた。

竹原本庄 たけはらほんじょう

竹原小早川氏の居城・木村城の城下集落。本項名称は当時のものではなく、便宜的な仮称。青田山麓(現在の青田地区諏訪迫)の領主居館を中心に、寺社や町場、鍛治、防衛設備、家臣居館等があったとみられる。

竹原 たけはら

安芸国東西条方面から流れる賀茂川の河口部に位置する港町。中世、安芸国人・竹原小早川氏の外港ともなった。現在とは違い、賀茂川が注ぐ中世の竹原湾は、沖に浮かぶ横島に守られ、小島が点在する波静かな良港であったとみられる。

高津 たかつ

石見国西部、高津川河口部の港町。13世紀前半には高津郷における津湊の存在が確認できる。高津川・益田川流域の物資集散地として栄えたとみられる。

見島 みしま

萩沖、約90キロメートルの日本海に浮かぶ見島の港町。山陰と対馬・朝鮮半島を結ぶ中継点にあった。見島はその地理的条件から、奈良・平安期においては朝鮮半島をにらんだ防衛拠点であった。中世には、大陸との交流の拠点となった可能性も指摘されている。

與依地 よいち

道南の積丹半島の東の付け根・余市川河口部に形成された港町。現在の北海道余市郡余市町大川町。中世、蝦夷地(北海道)に進出した和人の最前線となった。

セタナイ せたない

北海道日本海沿岸部にあったアイヌの拠点。現在の北海道久遠郡せたな町の内。和人と西部アイヌの交易の中継地であったと考えられている。

浦添 うらそえ

琉球中山王国の王都。沖縄本島の南部、現在の沖縄県浦添市に位置する浦添グスクとその城下からなる。その語源は「うらおそい(浦襲)」で、浦々を支配する所の意という。

マキアン Makian

インドネシアのマルク諸島(モルッカ諸島)の一つマキアン島の港町。マキアン島は、テルナテ島とならぶ丁子(クローブ)の産地であり、マルク諸島最良の港を持つことで知られた。

コタバト Cotabato

フィリピン南部のミンダナオ島に栄えたマギンダナオ王国の王都。16世紀に初頭にイスラームを受容し、フィリピンに進出したスペインと激しく争った。貿易面では、周辺の海洋民を勢力下におき、テルナテなどマルク諸島との交易が活発だった。

テルナテ Ternate

インドネシアのマルク諸島(モルッカ諸島)の一つテルナテ島の東岸の港町。テルナテ島はマルク諸島最大のハルマヘラ島の西海岸沖合10キロメートルに位置する。テルナテ王国の王都であり、丁子(クローブ)の積出港として栄えた。

カホキア Cahokia

現在の米国イリノイ州セントルイス近郊にあったアメリカ先住民の都市。9世紀から14世紀にかけて栄えた。高さ30メートルにもおよぶ巨大な墳丘「モンクス・マウンド」が構築されたことで知られる。

上ノ国 かみのくに

天の川河口部左岸の港町。現在の北海道桧山郡上ノ国町。蠣崎氏の本拠地。夷王山の麓に構築された城塞・勝山館の内部には、職人やアイヌの居住空間もあったとみられる。

ノヴォパクロフカ Novopokrovka

沿海地方北部を流れるウスリー川支流のイマン川南岸の段丘上に位置する城郭。当時の名称は不明。12〜13世紀に女真人が建国した金および東夏において、恤品路(ロシア沿海地方)北辺統治の中心地であったとみられる。

ヌルガン Nuergan

中世のアムール川下流域にあった地名。現在のロシア連邦ハバロフスク地方のティル村。金、元、明の3つの王朝は、ヌルガンの地に地域支配の拠点を設置した。史料には「奴児干」「弩児哥」などと表記されている。ヌルガンに持ち込まれた絹織物などの中国製品…

シラヌシ(白主土城) しらぬし

サハリン最南部のシラヌシの地に築かれた城郭。白主土城と呼ばれる。サハリン最南端のクリリオン岬近く、北海道島とサハリン島を結ぶ地点に立地している。その構築は、大陸の勢力によって行われたと推測されている。

シャイガ Shaiginskoe

ロシアのナホトカ市の北方、スウチャン川左岸の丘陵に位置した城郭都市。12〜13世紀に女真族が建国した金および東夏において、地域の行政・経済の中心であったと考えられている。当時の名称は不明。この城址からの発見物が、鎌倉期日本の謎の解明につな…

ケープタウン Cape Town

アフリカ大陸南西部の先端にあるケープ半島の北の端に位置する港町。北にテーブル湾、南をテーブルマウンテンなどの山々に囲まれる地形となっている。日本での勤務経験もあるヤン・ファン・リーベックが責任者となり、1652年(承応元年)から基地建設が…

ヴィジャヤナガラ Vijayanagara

14世紀初頭から17世紀中頃にけて南インドで栄えたヴィジャヤナガル王国の王都。現在のインド南部カルナータカ州ハンピに都市遺跡が残されている。山地と城壁に囲まれた巨大な要塞都市であり、その繁栄は当時のヨーロッパ人にも記録された。

デマ Demak

ジャワ島北岸に栄えたデマ(ドゥマク)王国の王都。同国はジャワ島で最初のイスラーム王国とされる。香料産地とマラッカとの中継港として栄えた。

マジャパヒト Majapahit

ジャワ島東部に栄えたマジャパヒト王国の王都。ブランタス川の下流右岸平地(現在のトロウラン)に位置した。同国は元朝や明朝とも通交しており、琉球の使節が訪れたこともあった。

横田 よこた

石見西部、高津川と匹見川の合流点付近に位置した市町。 匹見川と高津川の両河川の流域の物資集散地として、益田氏の本拠・益田本郷と内陸部をつなぐ交通の要衝として栄えたとみられる。

三吉 みよし

備後北部の三次盆地の馬洗川流域、現在の広島県三次市畠敷あたりにあった市町。国人・三吉氏の本拠である比叡尾山城の城下町でもあったとみられる。

開元 かいげん

13世紀、金国の武将・蒲鮮万奴が建国した東夏国の首都。ロシア沿海地方のクラスノヤロフスコエ城趾に比定する説がある。

南京(東夏) なんけい

13世紀、金国の武将・蒲鮮万奴が建国した東夏国の城郭。現在の中国吉林省延辺朝鮮族自治州図們市長安鎮に所在する城子山山城趾に、比定されている。

ガルザル Gardar

ノース人(スカンディナヴィア人)によるグリーンランド「東入植地」の中心的な居留地。現在のグリーンランド南部クレヤック市イガリク村にあった。

ビジャーヤ Bejaia

中部マグリブ、グラーヤ山の麓に発達した港町。その前面には風波を避ける深い入江を控えていた。その入江の一部に古代のサルダエの港町があり、ローマやカルタゴの貿易船の出入りで賑わった。

シフル ash-Shihr

イエメン南東部の乾燥地帯、ハドラマウト地方の港町。9世紀の言語学者イブン・ハビーブによれば、アデンやサナアにならぶ南アラビアの定期市が開催される町の一つだったという。すでにジャーヒリーヤ時代(イスラム以前の時代)から貿易商人や遊牧民たちに…

アデン Aden

アラビア半島の南端、紅海の入り口を扼す要衝に位置する貿易都市。古くからインド洋交易で繁栄した。